TOEICスコアレポート(アビメ)分析ー英語力が原因ではない点数の落とし方に気付く(リーディング編)

以前も、TOEIC公式スコアレポート「Abilities Measured」(通称アビメ)分析における、私なりの着眼点をご紹介させていただきましたが(こちらの記事)、今回の記事はその第2弾です。

TOEICアビメのレポート項目(リーディング) おさらい

TOEIC受験者には馴染みがあるかと思いますが、この記事は、TOEIC公式スコアレポート「Abilities Measured」(通称アビメ)に関するものです。そこで、アビメがどのようなものだったか、おさらいしておきましょう。

アビメ、これですね!

(公式サイトよりお借りいたしました)

この右下にある棒グラフが「受験時における自分の実力を詳しく表してくれている」ということになります。つまり、この部分を少しでも読み解けるようになると、同じ点数であっても「その点数の中身がどうなっているか?」の考察を一段深くすることが可能になります。

さて、今回はリーディングに焦点を当てています。リーディング スコアレポートの項目は下記のようになっています。

  1. 文書の中の情報をもとに推測できる(=パート7)
  2. 文書の中の具体的な情報を見つけて理解できる(=パート7)
  3. ひとつの文書の中でまたは複数の文書間でちりばめられた情報を関連付けることができる(=パート7、一部パート6)
  4. 語彙が理解できる(=パート5、6 一部パート7)
  5. 文法が理解できる(=パート5、6)

(説明しやすいように、1〜5まで棒グラフに数字をつけました。)

今日ご紹介するのは、「英語力が原因ではない(かもしれない)点数の落とし方」です。

英語力が原因ではない(かもしれない)点数の落とし方

それは、

棒グラフの2でしっかり点数を取れていない(1・3と同じぐらい、あるいはそれよりも低い)

という場合です。

この棒グラフ2の項目というのは、「文書の中の具体的な情報を見つけて理解できる」でした。この説明は、「パート7のピンポイント型問題」を指しています。「ピンポイント型」つまり、文書の1カ所に書かれている情報だけを読めば解ける問題です。

どんな問題か?をイメージとしてあげると、”What time will the meeting begin?”「会議が始まるのは何時ですか?」と問われており、解き方としては ”meeting”(あるいはそれに準ずる単語)と、”開始時間”に着目して、本文より答えを読み取ればいいんですね。

この手の問題、難易度が低いんです。むしろ、素早く解いて時間の貯金を作ることができるラッキーな問題とも言えます。

が・・・・!中には、こういったピンポイント型の問題でうまく点数を取れていない方がいます。

パート7のピンポイント型問題で、うまく点数を取れていない理由の考察

比較的簡単だと言われる問題で、点数を落としているのは何故なんでしょうか?

考えらえる原因としては、

  • 時間が気になり、焦って解いてしまっている
  • TOEICは、本文も選択肢も「引っ掛け」だらけだということに気付かずに解いてしまっている
  • そのために、正解の根拠ではない部分を「根拠だ!」と勘違いしたまま解いてしまっている

の3つが挙げられるかと思います。
そう、英語力が足りていない・・ということも考えられるでしょうが、それ以上にケアレス的な原因で失点してしまっているかもしれないのです。

特に真ん中のTOEIC的な「引っ掛けを誘う問題の作り方」があります。

先ほどの、ミーティングの開始時間であれば

「先週は10:00に開始したけれど、今週は〜〜の理由で、9:30から開始します」

という一文があったりするわけです(すると、正解は9:30ですよね)。そして、この「引っ掛けホイホイ」にはまってしまう人は、最初に目に入った数字である「10:00」に引き寄せられて回答し、間違えてしまうわけです。

「引っ掛けホイホイ」に引っかかっている時は、「解けている!」という感覚で解いてしまっている

この、アビメの棒グラフ2番目で表される「ピンポイント型問題」で失点してしまっている方にありがちなのは、「解いている最中は、スイスイ解けている感覚がある」ということです。スピードも意識しているでしょうし、余計に「リズム良く解いて、引っ掛かっている」という可能性が高いです。

改善の一歩は、「この状態に気がつくこと」。

アビメを手にして、リーディングセクションの棒グラフ2番目が伸び悩んでいたら、まず自身で分析です。

TOEICの本試験そのものを振り返って問題を1問ずつ検証することはできませんので、「公式問題集」あるいは「模擬テスト形式の問題集」を実際に解いてみます。

その後は採点をして、一問一問「どんな問題を間違っているか?」検証していきます。この検証作業は、解いている最中の記憶がフレッシュなうちに、畳み掛けるように実施するといいでしょう。

そして、こんなことをするんです。

  • パート7本文中にある、正解のエビデンスとなる該当箇所を、マーカーでハイライトする

次に

  • 自分が、正解のエビデンスだと思った該当箇所を、違う色のマーカーでハイライトする
    (両方とも解説ページを使います)

そうすることで、自分の「解いている時に発動している解き方のクセ」のようなものが、多かれ少なかれわかってきます。「引っ掛けホイホイ」の餌食になりまくっている場合は、「冒頭に出てきたワードにすぐに飛びついてしまっている!」ですとか、そんな感じです。

・・・と、ここまで書いて思いましたが、安易に正解っぽいものに飛びつく時って、語彙力が不足している場合も多いにありますね!立派な英語の問題でもあった・・・。ただし、英語力的に上級者と思う方でも、アビメの棒グラフ2が低い場合があるので、やはり英語力以外の要因でミスすることも少なくありません。

やっぱり、学習の盲点に気付くことは大事である!

TOEICのスコアアップって、英語力、TOEIC力の向上が必要なのはもちろんのこと、この「学習の盲点に気付く」ことが大きく成否を分けると、強く思います。

私は「英語学習コーチ」といっても、効率の良い学習方法を指導するだけではなく、NLPやアドラー心理学の要素を盛り込んだ「メンタルコーチング」の要素を活用してこの「学習の盲点を探す」のが大好きかつ得意です^^ 「学習の盲点」は個々人の思考のクセとも多いにリンクしているから面白いんです^^(面白い、、と書いてしまってすみません。面白がっているわけではなく、「興味深い」という意味です)。

つまり、実はTOEICのスコアアップだって、「自分という人間を知る」ということが、とっても大事なんですよね!

さて、上記本文中に出てきた「ピンポイント型」などを始め、パート7の解き方を余すところなく解説してくれているのが、こちらの本です。


ヒロ前田さんの本、愛用中。中・上級者向きと思います♪

もう一冊↓

ハマーさんの本は、初級者・中級者に優しと感じます♪

 

そして、こちらもアビメの話です。

船橋由紀子・坂本勝俊 開発
コーチングカード&トレーニングツール
TOILAB(問いラボ)

TOILAB(問いラボ)は、使えば使うほどコーチングがうまくなる!コーチングカード&トレーニングツール。

TOILABを使うと、

 “今すぐ”効果的なコーチングを実践!
 実践自体がコーチングの反復トレーニング!

という効果が得られます。

コーチング、1on1、セルフコーチング、ファシリテーションなどでも役立ちます。気軽な活用から本格的な使い方まで、ぜひTOILABの世界をお楽しみください!

公式LINE

新着情報や英語学習のコツを発信しています。ぜひお友だち登録をお願いいたします。

下のQRコードをスマホで読み取り、LINE登録ください。

下のボタンからLINE登録をお願いします。

この記事を書いた人

Avatar photo

Yukiko Funabashi

英語学習コーチ / 講師 / MC
MC・ナレーターとして約10年のキャリアを積んだ後、語学コーチングスクールに入社、英語学習コーチへ。在籍中7年で、ビジネスパーソンからエグゼクティブまで約4000人の英語力UPをサポート。2017年4月独立。
エグゼクティブ・ビジネスパーソンを中心にオーダーメイドの英語学習コーチングを提供する傍ら、研修講師ほか、MC・ナレーターとしても活動している。