銀座のINZにロイヤルホストがオープンしていた。
ひとり立ち寄ってみて、懐かさに浸る。
23歳の頃。
役者になりたかったけれど文学座の研究所で2年目に上がれず、迷走中。小劇場の舞台に出たりしつつ、ローカルのラジオ局でレポーターをしたり、商業演劇のツアー公演に帯同して制作助手をしたり。
そんな時にアルバイトをしていたのが、ロイヤルホスト(@江古田)だ。
勤務時間帯は、深夜。21時にシフトインして夜な夜な働き、朝6時に終了。健気にも、「オーディションがいつ入るかわからないから、日中〜夜の時間はいつでも開けておけるように」と夜バイトを選んだ。
深夜0時過ぎになるとお客さんが少なくなって、そこからお店の掃除して。
一転、早朝になると、営業を終えた個人タクシーの運転手さんが示し合わせたようにお店にやってきた。いつも一角を占拠して、早朝5時ぐらいからみんなで宴会を始める。そうなると、私はもはやファミレスの店員というより、居酒屋のスタッフ。ひとしきり個タクの運転手グループの相手をしていると、夜が明けてきて勤務終了。「ネエちゃんまたね!」と、運転手のおじさま達に見送られて帰宅したのを、よく覚えている。
オーディションを受けては落ち、大学まで出たのに深夜のアルバイト。最終的にとあるMCオーディションに合格することができたのをキッカケにロイホをやめて、その時は「バイト卒業!」と、とっても嬉しかったのだけど。
けど、なんだかんだ言って、深夜のロイホバイトには、ちゃーんと居場所と役割をもらって、そこで踏ん張れていたんだな、と。
なんか、もっと頑張れそうだ。
23歳の、不安を内包しながら生きていく当時に比べたら、「恵まれている環境に何胡座を掻いているの」と、思えるほどに、今が有難いからだ。
新年早々、過去と繋がれるタイムマシンみたいなところに来れた。そして、懐かしいオニオングラタンスープは、やっぱり美味しい。
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