英語学習コーチとして、これまで約8年、4200名ほどの英語学習者の方をサポートしてきて感じてきたこと。それは「目標達成しやすい”タイプ”の人」というのが、いるということ。このことについて考えてみました。
目標達成しやすい”タイプ”という方はどういう傾向があるか
で、目標達成しやすい”タイプ”にも、いくつかのパターンがあるように思います。が、今回取り上げたい”タイプ”の方は、
チャレンジする前から「自分は目標達成する」と決めている
傾向がある方々です。ただし、達成者全てがこのように「チャレンジするる前から・・」というわけではなく、徐々にこのマインドが育っていく方もいらっしゃいます。私はコーチングを提供する側なので、当然ながら働きかけをして、このマインド育成と強化のお手伝いをします。
ところで、このような目標達成しやすい”タイプ”を知ることは、目標達成の秘訣を紐解くことにもなりますよね!ということで、今日はNLPの「ニューロロジカルレベル」をご紹介しながら、お話を進めていきます。
*NLP=Neuro Linguistic Programing(神経言語プログラミング)心理学と言語学の観点から体系化された人間心理とコミュニケーションに関する学問。
NLPの「ニューロロジカルレベル」を簡単にご紹介
上記は、NLPプラクティショナーの講義を受ける中で私が書き留めたノート、笑。では、なるべく簡単に説明していきます!
そもそも「ニューロロジカルレベル」とは?・・・なのですが、NLPの代表者の1人でもあるロバート・ディルツが作ったひとつのモデルです。どんなモデルかというと、人間の意識を「環境」「行動」「能力」「信念・価値観」「アイデンティティ」「スピリチュアル」という6つに分けたものです。人は、これらの何処かの階層にとどまりながら、思いを巡らしているわけですね。
では例えば、「TOEIC900点を取る」という目標を掲げた人がいるとします。その人の意識の段階を、下位概念よりニューロロジカルレベルに当てはめていきましょう。
環境(Where/When)
これは、目標達成のための環境的機会です。あるいは、ネガティブな側面を見れば制約になるものも、環境に含まれます。
ごくごく簡単な言葉にしてみると「TOEIC900点をいつ取るのだろう?」あるいは「どこで勉強するのだろう?」「どういう制約があるのだろう?」などになりますね。
行動(What)
これは、成功到達に向けて取るべき行動のことです。
「TOEIC900点を取るために、何をやる(すべき)だろう?」という感じですね。
能力(How)
これは成功を導くための戦略です。能力・・と聞くと理解がしにくいかもしれませんが、”How”のレイヤーと考えるとわかりやすいです。
「TOEIC900点を取るために、どのように行動を選択しモニターすればよいだろう?」でしょうか。
信念・価値観(Why)
さて、上位概念に入ってきました。これは、行動の裏付けになる”何故”のことです。
「どうしてTOEIC900点を取りたいと思っているのだろう?」あるいは、「どうしてTOEIC900点を取ることが大事なのだろう?」と問うと、その人が持つ価値観や信念に近づいていけそうです。
アイデンティティ(Who)
これは、自分は何者なのか?ということです。
もうそのままですが、「自分は何者なのだろう?」「自分はどんな人間なのだろう?」という問いになりますね。
スピリチュアル
これは、自己を越えて、より大きな組織体に、どのような影響があるか?ということです。
「誰のためにやるのだろう?」という問いになります。が、このスピリチュアルレベルは今回、ちょっと置いておきます。(この概念はすごく利他的なのですが、ニセ利他的であることもすごく多く、なかなか扱いづらいので。)
上位概念が下位概念を支配する
さて、ここまでご紹介した中で、
再度私の手書き、笑!
・・だとわかりにくいかもしれませんので、
・アイデンティティ
・信念・価値観
・能力
・行動
・環境
と改めて、上位レベルから下位レベルに並べてみました。
で!一般的にこのモデルは「上位概念が下位概念を支配する」ということがポイントなんです。
行動や環境を変えることも、目標達成のための戦略を検討することも素晴らしいのですが、それ以上に、「価値観・信念・そしてアイデンティティに着目してあげる」こと。これ、非常に大事です。
だって、例えば「そこそこが一番よい」という価値観を持っている人がいたとしまう。こういう方が、TOEIC900点のために、戦略から・行動から環境から、そのパターンを変えて行くことができるでしょうか?
本当に、シャンパンタワーのようなものだなぁ、と思います。上位概念が、その下位概念に染み渡ってくる感じが。
一方、下位概念が上位概念を徐々に塗り替えることも、無いこともない!と私は感じています(これは自分自身の実感です)。
「目標達成向き」のアイデンティティを自分に持つことを許す
さて、いかがでしたでしょうか?
この「ニューロロジカルレベル」の構造を参考にしつつ、冒頭述べた「やっぱり、目標達成しやすい”タイプ”の人」を鑑みると・・・「チャレンジを始める前から「自分は目標達成する」と決めている」という底には、目標達成にふさわしい信念・価値観・そしてアイデンティティを伴っているように感じます。
一方・・あまり、目標達成に自信がないとする場合、こんなことをお勧めします!
それは、「アイデンティをアップデートしてしまうこと」!
なんじゃそりゃ?って感じですよね、笑。
「私はこのような高い目標を持ってもいい人間なのだ」
「私はそのための努力ができる人間だ」
ぐらい、まずは控えめにでも構わないので(笑)、これまでよりも一段「目標達成向き」のアイデンティティを自分に持つことを許してもいいのではないかなって思います。
なんだか、「目標達成できそうな信念・価値観・アイデンティティ出しをするワーク」をやってみたくなってきました!(どこかでやろう♪)
セルフマネジメントのご参考までに!
英語学習コーチとして心がけたいアプローチを考える
最後に。ここからは、自分への備忘録めいたものになりますが。
ここまで書いたところで、自分のコーチングを振り返ってみました。本当は「アイデンティティアップデート」が最高に効果的・・なのですが、実際には「アイデンティティ書き換えワークをしましょう!」と超ドストレートには・・やったことがありません。笑。なぜか?理由は2つ考えられます。
1つに、そもそも上記のような「ニューロロジカルレベル」の知識がないと、「アイデンティティが全部に影響するよん♪」なんて言っても意味がわかりません、苦笑。ですので心理学的な教育的講義とセットである必要があります。
2つ目、多くの人はそもそも日頃からアイデンティティはおろか、どんな価値観・信念を大事にしているか?すら、たいして意識していないんですね。こちらも心理学的な教育的講義とセットである必要があります。
なので、これまでは「価値観」にやや近しい「Why TOEIC 900?」という英語学習の目的を明らかにしながら、「能力」「行動」「環境」レベルのPDCAを大事にする。この「能力」「行動」「環境」レベルの成功体験を「価値観」や「信念」の書き換えに波及させる方法をとっていました((成功体験における喜び感情×回数=価値観の変容が起きるんですね!)
そう、価値観にまではアプローチできてる実感はある。が、そのもう一つ上位層にはいけていない。(メンタルコーチングだけだと、価値観・アイデンティティの変容は起こしやすいんだろうな。)
が、やっぱりアイデンティティへのアプローチは最強!ですから、「目標達成しやすい”タイプ”への変容を促すコーチング的アプローチ」をもっともっと取り入れていきたいな!と、この記事を書きながら思いました。なんだか、自分自身にとてもハードルの高いお題を投げかけてしまったような、笑。